SAPIX理科の4分野別勉強法
物理・化学・生物・地学でつまずく原因と対策
SAPIX理科では、生物・物理・化学・地学の4分野を、小4から小6まで段階的に学習していきます。
小4では身近な自然現象や観察を中心に学び、小5では力学・電気・水溶液・人体・天体など、入試に直結する重要単元が一気に増えます。小6では、それまでに学んだ内容を総合問題や入試問題に対応できる形へ整理していきます。
ただし、理科が苦手な子を見ていると、単に「理科が苦手」とひとまとめにできるわけではありません。
物理でつまずいているのか。
化学で計算や反応量が整理できていないのか。
生物の知識が抜けているのか。
地学で図や時間の流れがつかめていないのか。
どの分野で困っているかによって、復習の仕方は大きく変わります。
この記事では、中学受験理科専門講師・木ノ下翔が、SAPIX理科の4分野について、つまずきやすい原因と家庭学習で意識したい復習方法を解説します。
この記事でわかること
この記事では、次の内容について解説します。
・SAPIX理科の4分野の特徴
・物理・化学・生物・地学でつまずきやすい原因
・分野ごとの復習方法
・小4・小5・小6で意識したい学習の違い
・理科が苦手な子がまず確認すべきこと
・理科の伴走を使った復習の考え方
SAPIX理科は4分野の性質を分けて考える
SAPIX理科では、生物・物理・化学・地学をバランスよく扱います。
ただし、4分野は同じ「理科」でも、必要な力がかなり違います。
物理では、図を描く力や条件整理、計算力が必要です。
化学では、性質の暗記に加えて、反応量やグラフを読み取る力が必要です。
生物では、知識を関連づけて整理する力が必要です。
地学では、図・動き・時間の流れをイメージする力が必要です。
そのため、理科の成績が伸びないときには、まず「どの分野で止まっているのか」を分けて考えることが大切です。
物理分野|図・矢印・条件整理ができているか
SAPIX理科の物理分野では、力学、電気、熱、光、音、物体の運動などを学びます。
特に小5以降は、ばね、てこ、浮力、滑車、輪軸、電流、発熱など、入試で得点差がつきやすい単元が多く登場します。
物理が苦手な子の多くは、公式を知らないというよりも、問題の状況を図に整理できていません。
力学であれば、力の向きや大きさを矢印で表す。
電気であれば、回路の中で電流がどのように流れるかを整理する。
運動であれば、位置エネルギーや運動エネルギーの変化を追う。
こうした「見える形にする作業」ができていないと、解説を聞いたときはわかっても、自分で解くと手が止まります。
・物理で意識したいこと
物理では、問題文を読んだらすぐに計算に入るのではなく、まず図に情報を書き込むことが大切です。
力の向きを矢印で書く
支点・作用点・力点を整理する
回路を簡単な形に直す
条件を図の中に書き入れる
何を求める問題なのかを確認する
物理は、やり方が身につくまでに時間がかかります。
しかし、一度パターンが身につくと、似た問題に応用しやすい分野でもあります。よく似た問題を何度も解き、条件整理から解法選択までの流れを体に入れていきましょう。
詳しくはこちら:
SAPIX理科の物理が苦手な子の勉強法
化学分野|性質の暗記と比例計算を分けて考える
SAPIX理科の化学分野では、水溶液、気体、燃焼、溶解度、中和、化学計算などを学びます。
化学は、まず覚えるべき知識があります。
水溶液の名前、液性、におい、発生する気体、指示薬の色の変化などは、識別問題でよく問われます。ここがあいまいだと、そもそも問題の入り口で止まってしまいます。
一方で、SAPIXの化学は暗記だけでは終わりません。
溶解度では、水温、水の重さ、溶ける量の関係を整理する必要があります。
中和や気体の発生では、ちょうど反応する量をもとに比例計算を行う必要があります。
表やグラフの問題では、どこまで反応しているのかを読み取る必要があります。
つまり、化学は「覚える部分」と「計算する部分」を分けて考えることが大切です。
・化学で意識したいこと
化学では、まず基本知識を確実に覚えましょう。
水溶液の液性
指示薬の色の変化
気体の発生方法
気体の集め方
燃焼の条件
代表的な化学反応
そのうえで、計算問題では「何と何がどれだけ反応するのか」を言葉や表で整理します。
化学計算が苦手な子は、いきなり式を立てようとして失敗することが多いです。まずは、ちょうど反応するときの数値を書き出し、そこから比例関係に持ち込む練習をしましょう。
詳しくはこちら:
SAPIX理科の化学が苦手な子の勉強法
生物分野|単語をバラバラに覚えない
SAPIX理科の生物分野では、植物、昆虫、動物分類、人体、食物連鎖、季節と生物などを学びます。
生物は暗記分野と思われがちですが、ただ単語を覚えるだけでは点数につながりません。
植物であれば、科ごとに特徴をまとめる。
動物であれば、分類、体温、呼吸、子の生まれ方を整理する。
人体であれば、消化、呼吸、血液循環を流れで理解する。
食物連鎖であれば、生産者、消費者、分解者の関係を押さえる。
このように、関連する知識をまとめて覚えることが重要です。
生物が苦手な子は、一問一答では覚えているのに、少し聞かれ方が変わると答えられないことがあります。これは、知識が孤立しているからです。
・生物で意識したいこと
生物では、近いものをまとめて覚えることが大切です。
植物は科ごとに整理する
動物は分類ごとの特徴を比べる
人体は器官ごとの役割を流れで覚える
食物連鎖は関係図で整理する
季節と生物は実際の自然と結びつける
例えば「ヒマワリ」を覚えるときにも、単に名前だけを覚えるのでは不十分です。
キク科であること、花のつくり、種子の特徴、出題されやすい聞かれ方まで、周辺知識と一緒に整理しておく必要があります。
知識と触れ合う回数を増やし、問題で問われたときに関連知識を思い出す練習をしていきましょう。
詳しくはこちら:
SAPIX理科の生物が苦手な子の勉強法
地学分野|図・動き・時間の流れで理解する
SAPIX理科の地学分野では、天体、気象、地層、地震、火山、岩石、化石などを学びます。
地学は、暗記だけで処理しようとすると苦手になりやすい分野です。
天体では、太陽・月・星がどのように動くのかを図で理解する必要があります。
気象では、気温、湿度、雲、雨、風向などの変化を読み取る必要があります。
地層では、どの順番でできたのかという時間の流れを考える必要があります。
岩石では、何からできたのか、どのようにできたのかを整理する必要があります。
つまり、地学は「覚える」だけでなく、「動き」や「流れ」を理解する分野です。
・地学で意識したいこと
地学では、言葉だけで覚えるのではなく、必ず図や表とセットで復習しましょう。
天体は動きで理解する
月の満ち欠けは位置関係で考える
星の動きは方位ごとに整理する
気象はグラフと変化を読む
地層は時間の流れで理解する
岩石はでき方で分類する
化石は時代と環境で整理する
特に天体は、図を描かずに解こうとすると一気に難しく感じます。
問題文を読んだら、方位、時刻、動く向きを図に書き込む習慣をつけましょう。
詳しくはこちら:
SAPIX理科の地学が苦手な子の勉強法
学年別に見るSAPIX理科の注意点
小4の場合
小4理科では、生物や地学など、身近に観察できる内容が多く扱われます。
この時期は、いきなり難しい問題を解くことよりも、理科に興味を持ち、基本知識をしっかり身につけることが大切です。
植物、昆虫、メダカ、天気、太陽の動きなど、日常生活の中で見えるものと結びつけて学習しましょう。
図鑑を見たり、実際の植物や空の様子を観察したりするだけでも、後の学習につながります。
小5の場合
小5理科は、SAPIX理科の中でも非常に重要な学年です。
力学、電気、水溶液、気体、人体、天体など、入試に直結する単元が一気に増えます。
この時期に大切なのは、よく使われる解き方を身につけることです。
条件整理の仕方、図の書き方、比例計算の考え方、知識のまとめ方などを、毎回のデイリーサピックスで丁寧に確認していきましょう。
小5内容があいまいなまま小6に進むと、入試問題の演習で大きな負担になります。怪しい単元が出てきたら、小5のテキストに戻れるようにしておくことが大切です。
小6の場合
小6理科では、小4・小5で学んだ内容を入試問題に対応できる形へ整理していきます。
ただし、小6のカリキュラムをすべて完璧にこなすのは簡単ではありません。
通常授業、テスト、志望校対策、過去問などが重なり、理科にかけられる時間も限られてきます。
そのため、小6では「何を優先するか」が非常に重要です。
先生から指示された問題を中心に見直し、テストで大きく失点した単元は、原因を確認しましょう。
理解が及んでいない場合は、小5のテキストに戻って典型的なパターンを確認することも必要です。
理科が苦手なときは、まず原因を分ける
理科の成績が伸びないときには、ただ「理科をもっと勉強しよう」と考えるだけでは不十分です。
まず、何が原因なのかを分けて考えましょう。
知識不足
パターン不足
条件整理のミス
計算ミス
読み取りミス
記述の書き方がわからない
復習量が足りない
難易度が合っていない
同じ「理科が苦手」でも、原因によって対策は変わります。
暗記不足なら覚える量を増やす必要があります。
パターン不足なら、似た問題を繰り返し解く必要があります。
条件整理が苦手なら、図や表にまとめる練習が必要です。
難易度が高すぎるなら、少し易しい問題に戻る必要があります。
苦手の正体を見つけることが、成績を伸ばす第一歩です。
SAPIXの生物よくある質問
- SAPIX理科はどの分野から復習すればよいですか?
- まずは、テストで大きく失点している分野から確認しましょう。
ただし、物理や化学の計算問題で止まっている場合は、小5内容の基本パターンに戻ることが必要になる場合があります。
生物や地学で失点している場合は、知識が抜けているのか、図や表を読み取れていないのかを分けて考えましょう。
- 物理・化学・生物・地学のうち、どれが一番重要ですか?
- どれも重要ですが、入試で差がつきやすいのは物理・化学の計算問題です。
ただし、生物や地学の知識問題を落とし続けると、安定して点数を取ることは難しくなります。
理想は、暗記分野で確実に点を取り、物理・化学で得点差をつけられる状態です。
- 小5内容が定着していないまま小6になった場合はどうすればよいですか?
- 小6のカリキュラムの中でも、特に典型的なパターンを意識した問題を中心に取り組むことになります。
先生から指示される問題をすべてこなそうとするよりも、その中で特に他の問題へ応用の利く解き方が扱われているものを優先しましょう。
必要であれば、小5のデイリーサピックスに戻って、基礎パターンを確認することも大切です。
- 理科が苦手な子は、まず暗記から始めるべきですか?
- 場合によります。
生物や地学の知識が抜けている場合は、まず暗記から始めた方がよいです。
一方で、物理や化学の計算問題で止まっている場合は、暗記だけでは解決しません。条件整理の仕方、図の書き方、比例計算の考え方を確認する必要があります。
- 家庭で保護者はどこまで関わるべきですか?
- 低学年のうちは、図鑑を一緒に見たり、植物や天気など身近なものについて声をかけたりするだけでも効果があります。
高学年になると、内容がかなり抽象的になり、問題の難易度も上がります。
無理に家庭教師のように教えようとするよりも、学習状況や体調、メンタル面を見ながら、必要に応じて教材や動画、個別指導を使う方がよい場合もあります。
4分野別の関連動画
理科の伴走では、SAPIXをはじめとする大手塾教材や中学入試過去問の解説動画を公開しています。
SAPIX理科の4分野についても、次のような単元の解説動画を用意しています。
物理分野
ばね
てこ
浮力
滑車
輪軸
電流
電熱線
物体の運動
化学分野
水溶液
気体の発生
燃焼
溶解度
中和
化学計算
生物分野
植物
人体
動物分類
食物連鎖
季節と生物
地学分野
太陽の動き
月の満ち欠け
星の動き
気象
地層
岩石
地震
火山
授業で理解しきれなかった内容を復習したい方、家庭学習で理科を効率よく進めたい方は、理科の伴走をご活用ください。
木ノ下翔からのアドバイス
SAPIX理科で大切なのは、「理科が苦手」とひとまとめにしないことです。
物理が苦手なのか。
化学が苦手なのか。
生物の知識が抜けているのか。
地学の図や動きが見えていないのか。
ここを分けて考えるだけで、復習の方向性はかなり見えやすくなります。
理科は、暗記だけでも、計算だけでも、読解だけでもありません。
知識を覚え、条件を整理し、図や表を読み取り、必要な解法を選ぶ総合科目です。
だからこそ、成績が伸びないときには、どの力が不足しているのかを見極めることが大切です。
小4では、理科への興味と基本知識を育てる。
小5では、入試に直結する典型パターンを身につける。
小6では、それらを入試問題の中で使える形へ整理する。
この流れを意識して学習すると、SAPIX理科のカリキュラムをより効果的に活用できます。
苦手な分野がある場合は、無理に先へ進むだけでなく、必要に応じて前の学年や基本問題に戻りましょう。
理科は、正しく戻れば伸びる科目です。
理科の伴走で復習できます
理科の伴走では、SAPIXをはじめとする大手塾教材や中学入試過去問の解説動画を公開しています。
物理・化学・生物・地学の各分野について、確認問題や発展問題の解説だけでなく、問題へのアプローチ、条件整理、図の書き方、パターンの使い方を意識した解説を行っています。
授業で理解しきれなかった内容を復習したい方、家庭学習で理科を効率よく進めたい方は、ぜひご活用ください。


