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SAPIX化学

SAPIX理科の化学が苦手な子の勉強法

水溶液・気体・燃焼・中和でつまずく原因と対策

SAPIX理科の化学分野では、水溶液、気体、燃焼、溶解度、中和など、中学入試で頻出の重要単元を学びます。

化学は「暗記単元」と思われがちですが、実際には、覚えるべき知識に加えて、計算、表やグラフの読み取り、実験結果の考察まで求められる分野です。

そのため、用語を覚えているだけでは得点につながらず、「知識をどう使うか」まで身につける必要があります。

この記事では、中学受験理科専門講師・木ノ下翔が、SAPIX理科の化学分野でつまずきやすい原因と、家庭学習で意識したい復習方法を解説します。

この記事でわかること

・SAPIX理科の化学分野でつまずきやすい原因
・水溶液、気体、燃焼、溶解度、中和の復習ポイント
・暗記と計算をどうつなげればよいか
・表やグラフの読み取りで気をつけること
・化学が苦手な子が家庭学習で意識すべきこと

SAPIX理科の化学分野とは

小4では、燃焼や水溶液などを身近な現象として学びます。小5では、水溶液、気体、溶解度、中和など、入試に直結する内容が本格的に登場します。小6では、それらを入試問題に対応できる形で整理し、計算問題や実験考察問題に取り組んでいきます。

SAPIX理科の化学でつまずきやすい原因

SAPIX理科の化学でつまずく原因は、大きく分けると次の5つです。

・知識があいまい
・水溶液や気体の性質を整理できていない
・溶解度や中和の計算パターンが身についていない
・表やグラフの読み取りに慣れていない
・実験で何が起こっているのかをイメージできていない

化学は、単語を覚えれば終わりという分野ではありません。

水溶液なら「何が溶けているのか」「液性は何か」「どのような性質を持つのか」。気体なら「どう発生させるのか」「どのように集めるのか」「どんな性質を持つのか」。このように、知識をつながりとして整理する必要があります。

さらに、溶解度や中和では計算も必要になります。知識、計算、実験の読み取りが重なるため、苦手な子にとっては負担が大きくなりやすい分野です。

水溶液はまず性質を整理する

水溶液で最初に大切なのは、基本知識の整理です。

水溶液の問題では、次のような知識がよく問われます。

・何が溶けているか
・酸性、中性、アルカリ性のどれか
・においがあるか
・加熱すると何が残るか
・金属と反応するか
・二酸化炭素と反応するか
・指示薬の色がどう変わるか

ここがあいまいなまま計算問題に進んでも、なかなか得点にはつながりません。

まずは、食塩水、砂糖水、塩酸、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水、石灰水、炭酸水など、よく出る水溶液について、性質を表にして整理しましょう。

特にSAPIXでは、単純に「これは何性ですか」と聞くだけでなく、実験結果から水溶液を識別させる問題も出てきます。

知識を一問一答で覚えるだけでなく、「この性質があるから、この水溶液だ」と判断できるようにすることが大切です。

 水溶液を整理するときの実例

水溶液の単元では、水溶液名だけを覚えるのではなく、「何が溶けているのか、液性は何か、状態は何か**をセットで整理することが大切です。

・中性の水溶液

- 食塩水:食塩が溶けている。固体。中性。
- 砂とう水:砂とうが溶けている。固体。中性。
- でんぷんのり:でんぷんが溶けている。固体。中性。
- アルコール水:アルコールが溶けている。液体。中性。

中性の水溶液は、酸性・アルカリ性のような指示薬の大きな変化が出にくいので、何が溶けているかを整理して覚えましょう。

・酸性の水溶液

- ホウ酸水:ホウ酸が溶けている。固体。酸性。
- ミョウバン水:ミョウバンが溶けている。固体。酸性。
- 過酸化水素水:過酸化水素が溶けている。液体。酸性として扱われることがあります。
- さく酸水溶液:さく酸が溶けている。液体。酸性。
- うすいりゅう酸:りゅう酸が溶けている。液体。酸性。
- 炭酸水:二酸化炭素が溶けている。気体。酸性。
- 塩酸:塩化水素が溶けている。気体。酸性。

酸性の水溶液では、塩酸・炭酸水・さく酸水溶液などがよく出ます。  
何が溶けているのかまで覚えると、識別問題で使いやすくなります。

・アルカリ性の水溶液

- 水酸化ナトリウム水溶液:水酸化ナトリウムが溶けている。固体。アルカリ性。
- 石灰水:消石灰が溶けている。固体。アルカリ性。
- 重そう水:重そうが溶けている。固体。アルカリ性。
- アンモニア水:アンモニアが溶けている。気体。アルカリ性。

アルカリ性の水溶液では、水酸化ナトリウム水溶液、石灰水、アンモニア水が特に重要です。

石灰水は二酸化炭素と反応して白くにごること、アンモニア水は気体のアンモニアが溶けていることもあわせて覚えましょう。

気体は発生方法・集め方・性質をセットで覚える

気体の単元では、酸素、二酸化炭素、水素などがよく登場します。

気体は、次の3点をセットで整理してください。

・どのように発生させるか
・どのように集めるか
・どのような性質を持つか

例えば、酸素であれば、ものを燃やすはたらきがあること、二酸化炭素であれば、石灰水を白くにごらせること、水素であれば、燃えると水ができることなどが重要です。

また、気体の集め方では、水上置換、上方置換、下方置換の使い分けも大切です。

ここで単に名前だけを覚えるのではなく、「なぜその集め方をするのか」まで理解しておくと、実験考察問題にも対応しやすくなります。

燃焼は条件と実験の流れを理解する

燃焼の単元では、ものが燃えるための条件や、燃えた後に何が起こるかを学びます。

燃焼では、次のような内容が重要です。

・ものが燃えるための条件
・酸素のはたらき
・二酸化炭素や水ができること
・ろうそくの炎のつくり
・びんの中でろうそくが消える理由
・空気の流れ

燃焼は、実験とセットで出題されることが多い単元です。

「なぜ火が消えるのか」「なぜ石灰水が白くにごるのか」「なぜびんの中の水面が上がるのか」など、現象の理由を説明できるようにしておきましょう。

主な化学反応は言葉で整理する

化学反応の問題では、式を丸暗記するよりも、何と何が反応して、何ができるのかを言葉で整理することが大切です。

よく出る化学反応

塩酸 + 水酸化ナトリウム水溶液 → 食塩 + 水

石灰水 + 炭酸水 → 石灰石 + 水

炭素 + 酸素 → 二酸化炭素

水素 + 酸素 → 水

アルコール + 酸素 → 水 + 二酸化炭素

石灰石 + 塩酸 → 二酸化炭素 + 水 + 塩化カルシウム

これらは、中学受験理科でよく使う反応です。

特に、石灰水と二酸化炭素の反応、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和、石灰石と塩酸による二酸化炭素の発生は、入試問題でもよく登場します。

金属と水溶液の反応

金属と水溶液の反応では、どの金属がどの水溶液と反応するかを整理しておきましょう。

塩酸:アルミニウム、亜鉛、鉄などと反応して水素が発生する

水酸化ナトリウム水溶液:アルミニウム、亜鉛などと反応して水素が発生する

銅:塩酸や水酸化ナトリウム水溶液とは反応しにくい

金属の反応は、覚えるだけでなく、実験結果の表から判断する問題として出されることもあります。

「どの金属が反応したか」「何の気体が発生したか」を表に整理して復習しましょう。

溶解度は比例関係を整理する

溶解度は、化学分野の中でも計算で差がつきやすい単元です。

溶解度の問題では、水の温度、水の重さ、溶ける物質の量の関係を整理する必要があります。

特に大切なのは、比例関係を正しく使うことです。

例えば、「水100gに何g溶けるか」という基準をもとに、水の量が変わった場合に何g溶けるかを計算します。

このとき、式だけで処理しようとするとミスが増えます。水の重さと溶ける量の関係を表に書き、どの数値が比例しているのかを見える形にしましょう。

また、溶解度の計算は数字が細かくなりやすいため、計算力も必要です。計算ミスが多い場合は、理科の理解不足ではなく、途中式の書き方や計算の処理に問題があることもあります。

中和は「ちょうど反応する量」を押さえる

中和は、SAPIX理科の化学分野の中でも特に重要な計算単元です。

中和で大切なのは、「何と何が反応しているのか」と「ちょうど反応する量はいくつか」を整理することです。

まず、言葉で反応を表しましょう。

例えば、

塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が反応する

というように、何が反応しているのかを言葉で確認します。

そのうえで、ちょうど反応するときの数値を書き出し、比例の関係を使って計算していきます。

中和では、表やグラフの読み取りもよく出題されます。どこまでは片方が余っていて、どこからもう片方が余るのかを判断する練習が必要です。

単に計算式を覚えるのではなく、「今、何が余っているのか」「何がなくなったのか」を考えながら解くようにしましょう。

表やグラフの読み取り練習は必須

化学分野では、表やグラフを使った問題が多く出題されます。

特に、溶解度、中和、気体の発生では、実験結果を表やグラフで示し、そこから規則性を読み取らせる問題がよくあります。

このタイプの問題では、次の点を意識してください。

・何を変えた実験なのか
・何を測定しているのか
・比例している部分はどこか
・途中で変化が止まる理由は何か
・余っているものは何か

表やグラフの問題が苦手な子は、数字だけを見て計算しようとすることが多いです。

まずは、実験で何が起こっているのかを言葉で説明できるようにしましょう。そのうえで、数値の関係を整理すると、計算の意味が見えやすくなります。

学年別に見るSAPIX化学の復習ポイント

小4の化学

小4では、燃焼、気体、水溶液などを身近な現象として学びます。

この時期は、細かい計算よりも、現象を正しく理解することが大切です。

ろうそくが燃える様子、水にものが溶ける様子、気体が発生する様子などを、ただ覚えるのではなく、「何が起こっているのか」を意識して学習しましょう。

小5の化学

水溶液、気体、溶解度、中和など、入試に直結する重要単元が登場します。

この時期に大切なのは、基本パターンの習得です。言葉の反応式をいちいち書く癖をつけておきましょう。

溶解度なら比例関係、中和ならちょうど反応する量、気体なら発生方法と性質、水溶液なら識別のポイントをしっかり身につけましょう。

小5で化学の基本パターンがあいまいなまま小6に進むと、入試問題に取り組むときに大きな負担になります。

小6の化学

小6では、これまで学んだ内容を入試問題に対応できる形で整理していきます。

単純な暗記や基本計算だけでなく、複数の実験を比較したり、表やグラフから条件を読み取ったりする問題が増えていきます。

もし小6で化学が苦手な場合は、まず小5内容に戻って、水溶液、気体、溶解度、中和の基本パターンを確認してください。

小6の総合問題だけを解き続けても、土台が抜けている場合はなかなか安定しません。必要に応じて、小5のテキストに戻ることが大切です。

SAPIX化学のよくある質問

SAPIX理科の化学は暗記だけで何とかなりますか?
暗記だけでは不十分です。

もちろん、水溶液や気体の性質など、覚えるべき知識は多くあります。しかし、SAPIX理科の化学では、その知識を使って実験結果を読み取ったり、計算したりする力も求められます。

まずは基本知識を覚え、そのうえで問題の中でどう使うかを練習しましょう。
水溶液が苦手な場合、何から復習すればよいですか?
まずは、よく出る水溶液の性質を整理しましょう。

酸性・中性・アルカリ性、におい、加熱したときに残るもの、指示薬の色の変化などを表にして覚えるのがおすすめです。

その後、識別問題に取り組み、「どの性質から何の水溶液だと判断できるのか」を確認してください。
溶解度や中和の計算が苦手な場合はどうすればよいですか?
溶解度や中和では、いきなり式を立てるのではなく、まず関係を表に整理しましょう。

溶解度なら、水の重さと溶ける量の比例関係を確認します。中和なら、ちょうど反応する量を書き出し、どちらが余っているのかを判断します。

計算問題に見えても、実際には条件整理の問題です。途中式や表を丁寧に書く練習をしましょう。
化学の表やグラフ問題はどう復習すればよいですか?
表やグラフ問題では、まず「何を変えた実験なのか」「何を測った結果なのか」を確認してください。

そのうえで、比例している部分、変化が止まる部分、余っている物質が変わる部分を見つけます。

グラフの形だけを覚えるのではなく、実験で何が起こっているのかを言葉で説明できるようにすることが大切です。
動画教材は化学の復習に有効ですか?
はい、有効です。

化学分野では、実験の流れ、表やグラフの読み取り、計算の手順を順番に確認することが大切です。動画では、どこに注目し、どのように条件を整理し、どの式につなげるのかを見ることができます。

ただし、すべての動画を見ると時間がかかるため、水溶液、溶解度、中和、気体など、つまずいた単元に絞って使うのがおすすめです。

木ノ下翔からのアドバイス

SAPIX理科の化学分野は、暗記・計算・実験考察が重なるため、苦手意識を持ちやすい分野です。

ただし、やるべきことははっきりしています。

まず、水溶液や気体の性質など、必要な知識を整理すること。次に、溶解度や中和などの典型的な計算パターンを身につけること。そして、表やグラフから実験の意味を読み取る練習をすることです。

化学は、覚えた知識がそのまま点数になることもありますが、入試ではその知識を使って考える問題が多く出題されます。

「覚える」「整理する」「使う」という順番を意識して復習していきましょう。

小5で化学の基本パターンを固めておくと、小6以降の入試問題に取り組むときに大きな武器になります。逆に、小5内容があいまいなまま小6に進むと、総合問題で苦労しやすくなります。基本パターンの習得は、溶解度の単元ならば水温、水量、溶解度を一行で書き、水量に応じて比例計算していくという手順を完璧に行えるようにすること。中和や、燃焼、気体の発生などその他反応の単元では言葉で化学式を書き、ちょうど反応する値を重さなのか体積なのかに気をつけながら完成させ、条件に応じて定比例の法則を使って比例計算していく癖をつけることです。

苦手を感じた単元があれば、早めに戻って確認してください。化学は、正しい順番で復習すれば、パターンが少ない分、十分に得点源にできる分野です。

化学分野の関連動画

化学分野は、知識の整理だけでなく、実験の流れや計算の手順を確認することで理解しやすくなります。 理科の伴走では、SAPIX理科でつまずきやすい化学分野について、次のような解説動画を用意しています。

・水溶液

・気体の発生

・燃焼

・溶解度

・中和

・化学計算

SAPIX理科の化学分野を復習したい方は、理科の伴走をご活用ください。

理科の伴走 小4 SAPIX一覧表はこちら

理科の伴走 小5 SAPIX一覧表はこちら

理科の伴走 小6 SAPIX一覧表はこちら

理科の伴走で復習できます

理科の伴走では、SAPIXをはじめとする大手塾教材や中学入試過去問の解説動画を公開しています。

SAPIX理科の化学分野では、水溶液、気体、燃焼、溶解度、中和、化学計算など、つまずきやすい単元の解説動画を確認できます。

授業で理解しきれなかった内容を復習したい方、家庭学習で化学分野を効率よく進めたい方は、ぜひご活用ください。

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