理科の暗記は、一問一答で丸暗記するだけでは足りません
中学受験理科では、暗記が必要です。
植物の分類、動物の分類、人体、岩石、星座、気象、水溶液、気体、金属、指示薬など、覚えなければならない知識はたくさんあります。
しかし、理科の暗記が苦手な子の多くは、暗記そのものが苦手というより、覚え方がうまくいっていないことが多いです。
特に多いのは、
・一問一答で丸暗記する
・同じ教材を何度も回すだけで終わる
・知識同士の関連がない
・細かい知識をいきなり網羅しようとする
・図や写真、イラストと結びつけない
・問題で聞かれ方が変わると答えられない
という状態です。
中学受験理科で大切なのは、知識を覚えることだけではありません。
覚えた知識を、問題の中で使える形にすることです。
この記事でわかること
・理科の暗記が苦手な子に多い失敗
・一問一答で丸暗記するだけでは足りない理由
・生物の暗記で意識したいこと
・地学の暗記で意識したいこと
・化学の暗記で意識したいこと
・暗記しているのに点が取れない原因
・暗記に使える無料PDFの使い方
・保護者が暗記でやりがちなNG
・知識を使える形にする勉強法
理科の暗記が苦手な子に多い失敗
理科の暗記が苦手な子に一番多い失敗は、知識を一問一答で丸ごと覚えようとすることです。
一問一答は、知識の確認には使えます。
しかし、一問一答だけで覚えていると、問題の聞かれ方が少し変わっただけで答えられなくなることがあります。
たとえば、「ヒマワリは何科ですか」と聞かれれば答えられる。
でも、
・キク科の植物を選びなさい
・種子に油を多く含む植物を選びなさい
・花びらが集まって一つの花のように見える植物を選びなさい
・同じ仲間の植物を選びなさい
と聞かれると、急に答えられなくなる。
これは、ヒマワリという言葉を覚えていても、周辺知識とつながっていないからです。
理科の暗記では、単語を覚えるだけでなく、その単語がどの知識とつながっているのかを整理する必要があります。
同じ教材を回すだけでは、問い方の違いに弱くなります
暗記が苦手な子ほど、同じ教材を何度も回そうとすることがあります。
もちろん、復習は大切です。
しかし、同じ教材ばかりを繰り返していると、その教材の聞かれ方にだけ反応する状態になりやすいです。
これでは、テストで少し違う聞かれ方をされたときに対応できません。
中学受験理科では、同じ知識でもさまざまな角度から問われます。
そのため、ある程度覚えたあとは、少し違う形式の問題に触れることが大切です。
・一問一答
・選択問題
・説明問題
・図を使った問題
・実験文を読んで考える問題
・表やグラフと結びつける問題
こうした違う聞かれ方に触れることで、知識が使える形になっていきます。
生物の暗記は「科ごと」「関連づけ」「イラスト」が大切です
生物分野は、暗記量が多く見える分野です。
植物、動物、人体、昆虫、分類、食物連鎖など、覚えることが多いため、単語だけで覚えようとするとかなり苦しくなります。
生物の暗記で大切なのは、関連づけることです。
特に植物は、「科ごとにまとめる」ことが非常に大切です。
植物は科ごとにまとめる
植物を一つずつバラバラに覚えるのではなく、科ごとにまとめて覚えると整理しやすくなります。
たとえば、
・アブラナ科
・キク科
・マメ科
・ウリ科
・ナス科
・バラ科
・イネ科
のように、仲間ごとに整理します。
同じ科の植物には、花のつくり、実のつき方、種子の特徴などに共通点があります。
この共通点を意識して覚えることで、単語の丸暗記ではなく、知識のまとまりとして覚えられます。
イラストや写真と一緒に覚える
生物では、イラストや写真も大切です。
植物の花のつくり、葉の形、根の形、種子の形などは、文字だけで覚えるより、図や写真と一緒に覚えた方が残りやすいです。
動物分類でも、実際の姿をイメージできるかどうかは大切です。
クジラやイルカは水中で生活していてもほ乳類。
コウモリは飛んでいても鳥類ではなくほ乳類。
ペンギンやダチョウは飛べなくても鳥類。
こうした知識は、姿や生活のイメージと一緒に覚えると整理しやすくなります。
生物暗記に使えるPDF
植物や動物の分類を整理したい方は、以下のPDFも参考にしてください。
植物は科ごとに、動物は分類ごとに整理しておくと、単なる丸暗記ではなく、知識のまとまりとして覚えやすくなります。
木ノ下翔のワンポイント
生物は、単語を一問一答で覚えようとすると苦しくなります。
植物なら科ごとにまとめる。
動物なら分類ごとに特徴を比べる。
人体なら器官のはたらきをつなげて考える。
このように、近いものや関連するものをまとめて覚えることが大切です。
「これとこれは同じ仲間」
「これは似ているけれど違う」
「この特徴があるからこの分類」
という整理ができると、生物の暗記はかなり安定します。
地学の暗記は、岩石・天体・気象で覚え方を変えましょう
地学は、岩石、地層、火山、地震、天体、気象など、かなり幅広い分野です。
すべてを同じ暗記法で覚えようとすると、うまくいきません。
地学では、分野ごとに覚え方を変えることが大切です。
岩石は写真を見て、でき方と一緒に覚える
岩石は、名前だけで覚えようとすると混乱しやすい分野です。
大切なのは、写真を見て、でき方と一緒に覚えることです。
たとえば、火成岩なら、
・マグマが冷えて固まってできる
・地表付近で急に冷えると火山岩
・地下深くでゆっくり冷えると深成岩
・冷え方によって粒の大きさが変わる
というように、見た目とでき方を結びつけて覚えます。
岩石は、「名前だけ」を覚えるのではなく、
・どうやってできたのか
・どんな見た目なのか
・粒の大きさはどうか
・色は白っぽいか黒っぽいか
をセットで整理することが大切です。
天体は星の知識を入れ、図を描けるようにする
天体は、暗記だけで押し切りにくい分野です。
もちろん、星座や星の名前、月の満ち欠け、太陽の動きなどの知識は必要です。
しかし、天体で点を取るには、図を描いて考えられることが大切です。
・太陽、地球、月の位置関係
・月の満ち欠け
・日食と月食
・星の動き
・季節と星座
・方角と時刻
これらは、頭の中だけで処理しようとするとかなり難しくなります。
天体では、星の知識を入れたうえで、図を描いて整理する練習が必要です。
気象は気団と気圧を、理由とともに覚える
気象は、暗記に見えて、理由の理解が大切な分野です。
特に、気団と気圧の理解は重要です。
・なぜ季節によって天気が変わるのか
・なぜ風が吹くのか
・なぜ雲ができるのか
・なぜ前線で雨が降るのか
・なぜ冬は乾燥しやすいのか
こうした内容は、言葉だけで覚えても忘れやすいです。
理由とともに覚えることで、知識が使いやすくなります。
地学暗記に使えるPDF
岩石や星の知識を整理したい方は、以下のPDFも参考にしてください。
岩石は写真やでき方と結びつけて、恒星は名前だけでなく明るさや色、星座との関係も合わせて整理しておくと、知識として使いやすくなります。
木ノ下翔のワンポイント
地学は、分野ごとに覚え方を変えましょう。
岩石は写真を見て、でき方とセットで覚える。
天体は星の知識を入れて、図を描けるようにする。
気象は気団と気圧を、理由とともに覚える。
地学は「暗記単元」と思われがちですが、実際にはイメージと理由がかなり大切です。
写真、図、理由を使って覚えると、ただの丸暗記よりずっと使いやすい知識になります。
化学の暗記は、すべて大切です
化学分野では、暗記も計算も両方大切です。
水溶液、気体、金属、燃焼、指示薬、中和、溶解度など、どれか一つだけ覚えればよいというわけではありません。
化学の暗記で大切なのは、まず基本知識を確実に入れることです。
水溶液で覚えること
・溶けているもの
・液性
・におい
・色
・水溶液ごとの性質
・指示薬の反応
・識別のポイント
気体で覚えること
・発生方法
・集め方
・性質
・におい
・水への溶けやすさ
・燃焼との関係
・石灰水などとの反応
金属で覚えること
・金属光沢
・電気や熱の伝わりやすさ
・磁石につくか
・酸との反応
・燃焼や酸化
・密度や重さのイメージ
化学は、暗記があいまいだと計算問題にも影響します。
水溶液の性質を知らない。
気体の発生方法があいまい。
指示薬の反応を覚えていない。
金属の性質が整理できていない。
こうした状態では、実験問題や計算問題に入ったときに苦しくなります。
化学暗記に使えるPDF
水溶液・気体・金属などの基本知識を整理したい方は、以下のPDFも参考にしてください。
化学は、知識があいまいなままだと実験問題や計算問題に入りにくくなります。
まずは基本知識を整理し、そのうえで問題演習に進むことが大切です。
木ノ下翔のワンポイント
化学の暗記は、すべて大切です。
水溶液も、気体も、金属も、指示薬も、燃焼も、基本知識が抜けていると問題が解きにくくなります。
特に化学は、暗記と計算がつながっています。
性質を覚えているからこそ、実験の意味がわかる。
反応を覚えているからこそ、表やグラフを読める。
基本知識があるからこそ、計算に入れる。
化学では、暗記を軽く見ない方がよいです。
暗記しているのに点が取れない子に足りないもの
「覚えているのに点が取れない」という相談はよくあります。
この原因の多くは、知識そのものではなく、問い方の違いに対応する練習が足りないことです。
同じ知識でも、問題での聞かれ方はさまざまです。
・単語を答える
・選択肢から選ぶ
・図の中から判断する
・実験結果と結びつける
・理由を説明する
・表やグラフとつなげる
・文章を読んで必要な知識を取り出す
一問一答では答えられるのに、テストで点が取れない場合は、知識を問題の中で使う練習が足りていない可能性があります。
知識を使える形にする練習
知識を使える形にするには、少し違う聞かれ方の問題に触れることが大切です。
同じ教材を何度も回すだけではなく、ある程度覚えたら、別の問題にも取り組みましょう。
たとえば、
・同じ単元の別教材を解く
・図を使った問題を解く
・選択肢問題を解く
・理由説明の問題を解く
・実験問題に取り組む
・表やグラフと結びつける問題を解く
こうした練習を通して、知識が少しずつ使える形になっていきます。
保護者が暗記でやりがちなNG
理科の暗記で、保護者がよかれと思ってやりがちなNGがあります。
同じ教材を回しすぎる
同じ教材を何度も回すこと自体は悪くありません。
しかし、それだけでは聞かれ方の違いに弱くなることがあります。
ある程度覚えたら、違う形式の問題に触れることも必要です。
いきなり細かい知識まで網羅しようとする
最初から細かい知識まで全部覚えようとすると、子どもはかなり苦しくなります。
まずは大きな分類や基本知識を押さえ、そのあと細かい知識を足していく方が安定します。
覚えていないことを責める
暗記は一度で完成しません。
忘れることを前提に、何度も触れながら整理していく必要があります。
覚えていないことを責めるより、「どことつながる知識か」を一緒に確認する方がよいです。
暗記に使える無料PDF
この記事で紹介した暗記の考え方に合わせて、分野別の暗記シートを用意しています。
必要な分野から確認して、知識の整理に活用してください。
・植物分類暗記シート
・動物分類暗記シート
・化学暗記シート
・岩石暗記シート
・恒星暗記シート
これらのPDFは、丸暗記のためだけに使うものではありません。
知識を整理し、関連づけて覚え、問題の中で使える形にするための材料として活用してください。
木ノ下翔からのアドバイス
理科の暗記は、ただ覚えればよいものではありません。
中学受験理科で必要なのは、覚えた知識を問題の中で使えるようにすることです。
一問一答で答えられる。
同じ教材なら答えられる。
でも、聞かれ方が変わると答えられない。
この状態では、まだ知識が使える形になっていません。
生物なら、科ごとにまとめる。
地学なら、写真や図、理由と一緒に覚える。
化学なら、基本知識を丁寧に積み上げる。
そして、ある程度覚えたら、少し違う問題に触れてください。
知識は、いろいろな聞かれ方に出会うことで使いやすくなります。
理科の暗記は、単語を頭に入れる作業ではありません。
知識同士をつなげ、図や写真と結びつけ、問題の中で使える形にしていく作業です。
そこを意識して学習すると、暗記はただの苦しい作業ではなく、点数につながる武器になっていきます。


