中学受験理科の勉強法
保護者が知っておきたい学び方と伸ばし方を専門講師が解説
中学受験理科は、暗記だけで乗り切れる科目ではありません。
生物や地学では知識を整理して覚える力が必要ですし、物理や化学では条件を読み取り、図を書き、計算や考察につなげる力が必要になります。さらに最近の入試問題では、長いリード文を読みながら必要な情報を取り出し、知っている知識や解法を組み合わせて答える問題も増えています。
つまり理科は、知識、計算、読解、条件整理が合わさった総合科目です。
この記事では、中学受験理科専門講師・木ノ下翔が、保護者の方に向けて、中学受験理科の基本的な勉強法と、成績を伸ばすために大切な考え方を整理してお伝えします。
この記事でわかること
・中学受験理科はどんな科目か
・学年ごとに意識したい勉強法
・成績が伸びる子と伸びない子の違い
・家庭で気をつけたいこと
・木ノ下翔が考える中学受験理科の学び方
中学受験理科はどんな科目か
中学受験理科は、大きく分けると、生物・物理・化学・地学の4分野から成り立っています。
ただし、実際の入試では、この4分野がきれいに分かれて出題されるとは限りません。知識問題に見えて資料の読み取りが必要なこともありますし、計算問題に見えて図やグラフの整理が必要なこともあります。
そのため、理科ができる子は、単に知識量が多いだけではありません。
・覚えた知識を使える
・図や表を見て状況を整理できる
・以前に学んだ解法を思い出して使える
こうした力を持っています。
まず一番大切なのは、子どもに合う難易度設定です
中学受験理科の勉強で、私がいちばん大切だと考えているのは、子どもに合う難易度設定です。
伸びない勉強のしかたの代表例は、今の実力に合っていない難しい問題に長く時間をかけすぎることです。
難しすぎる問題に取り組み続けると、
・何がわからないのかが本人にも見えなくなる
・苦手意識だけが強くなる
・本来身につけるべき基本パターンの練習量が足りなくなる
という状態になりやすくなります。
逆に、伸びる子は、自分にとって少しがんばれば届く問題を丁寧にこなしながら、知識や解法の関連を増やしていきます。
中学受験理科では、「どれだけ難しい問題をやったか」よりも、「今の自分に必要な問題をきちんと身につけたか」の方がずっと大切です。
学年ごとに意識したいこと
小4
小4では、理科に親しみ、観察できるものをしっかり見ることが大切です。
生物や地学では、植物、昆虫、星、季節の変化など、身のまわりの自然と結びつけながら学ぶことで、知識が入りやすくなります。物理や化学でも、基本的な現象に対して「なぜそうなるのか」を考える姿勢を持たせたい時期です。
この時期は、満点を取ることよりも、興味を持つこと、基本知識を取りこぼさないことを優先してください。
小5
小5は、中学受験理科の山場です。
力学、電気、水溶液、気体、人体、天体など、入試で差がつきやすい単元が本格的に登場します。この時期は、知識を覚えるだけでなく、典型的な解き方や条件整理の方法を身につけることが重要です。
特に、小5の内容があいまいなまま小6に進むと、後から立て直すのに大きな時間がかかります。小5では、よく出るパターンをきちんと身につけることを意識してください。
小6
小6では、これまでに学んだ内容を入試で使える形にしていくことが大切です。
ここで気をつけたいのは、「前にやったことがあるから大丈夫」と思い込まないことです。入試では、見たことのある単元でも、条件や聞かれ方が少し変わるだけで対応できなくなることがあります。
小6では、図を書く、条件を整理する、グラフの意味を説明する、といった基本を崩さずに、総合問題や入試問題に向き合う必要があります。
成績が伸びる子と伸びない子の違い
理科が伸びる子は、知識を関連づけながら学んでいます。
たとえば、「これはあの単元と似ている」「この問題は前にやったあの解き方が使える」といった形で、知識や解法をつなげていきます。いわば連想ゲームのように、自分の中で整理が進んでいる状態です。
一方で、理科が苦手な子は、一問一答のようにその場その場で覚えようとしがちです。知識がつながらず、少し聞かれ方が変わるだけで別問題に見えてしまいます。
また、長い文章や資料を読むのが苦手だと、知識があっても問題で使えないことが増えてきます。
家庭で気をつけたいこと
保護者の方がよかれと思ってやりがちなのに、逆効果になりやすいのが、
・難易度の合わない問題をやらせること
・できていない点ばかりを強く指摘すること
です。
理科は、一気に完成する科目ではありません。成長には段階があります。
ですから、家庭では、
・今の学習内容に合った難易度で進める
・図や表を見ながら説明させる
・苦手を責めるより、今できることを一つずつ確認する
という関わり方が大切です。
特に低学年では、図鑑や自然観察とつなげて興味を育てることが効果的です。高学年では、無理に教え込むより、学習の進み具合やメンタルの状態を見守る役割の方が重要になります。
木ノ下翔が考える中学受験理科の勉強法
理科の勉強で大切なのは、難しい問題に早く手を出すことではありません。
今の自分に必要な知識を整理し、図を書き、条件を整え、少しずつ使える形にしていくことです。そうやって土台を積み重ねた子は、最終的に強くなります。
理科は、成長を待つ科目でもあります。すぐに結果が出ないこともありますが、適切な難易度で、必要な順番で、一つずつクリアしていけば、必ず伸びる余地があります。
保護者の方には、焦って先に進めるよりも、「今できることをきちんと積み上げる」ことを大切にしていただけたらと思います。
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