天体の図が描けない子に、まず「北と正午」を確かめてもらう理由
2026/09/16
天体の問題で「どういう図を描いたらいいか分からない」と手が止まる。そのとき私がまず確かめるのは、方位と時刻の基本を、図の中で使えているかです。
授業では、図の描き方を一から教え直す前に、「今、自分は地球のどこにいる?」「北極はどちら?」「太陽が南に見えるのはどこ?」と問いかけます。基本の意味を思い出すと、自分で図を描き進められることがあります。
観測者の位置 → 北と南 → 太陽の南中 → 自転する向きに時刻を追う。
まずは30秒の図解で確認
太陽を左に置いた図を例に、位置と時刻の関係を整理します。字幕・図解の動画です(音声なし)。
1.紙の上を「北」と決めない
ここでは、日本付近の観測地点を、北極側から見下ろした模式図で考えます。この図の中心は北極を表しています。観測者から見て、図の中心へ向かう側が北、その反対側が南です。
観測者の位置が変われば、紙の上での南北の向きも変わります。紙の上側をいつでも北と決めてしまうと、太陽や星がどの方位に見えるかを取り違えてしまいます。
これは北極側から見た図での整理です。地球の立体的な中心に向かう方向を「北」と呼んでいるわけではありません。問題の図が何を表しているかを最初に確認しましょう。
2.太陽が南中する位置を見つける
日本付近で考える太陽の南中は、太陽が真南を通るときです。北極側から見た模式図では、観測者から見て北極の方向と太陽の方向が反対になる位置を探します。
図で太陽を左に置いたなら、地球の左側の観測者が太陽を南に見る位置です。太陽が右に置かれた問題なら、この位置も右側に変わります。「左が12時」と場所だけを暗記しないことが大切です。
3.北極側から見て反時計回りに、時刻を追う
地球は、北極側から見ると反時計回りに自転します。12時の位置が決まったら、その向きに観測者を動かして考えます。
| 12時の位置からの移動 | 時刻 |
|---|---|
| 出発点 | 12時 |
| 反時計回りに90度 | 18時 |
| さらに90度 | 0時 |
| さらに90度 | 6時 |
| 一周 | 12時 |
向きを先に決めずに時刻だけ書き込むと、18時と6時が逆になることがあります。自転の矢印を描いてから順番に追いかけてみてください。
4.「南中」と「12時」は、すべての星で同じではない
南の空を通る月や星を考えるときも、観測者にとっての南を決めることが役立ちます。ただし、月や星が南中する時刻は、いつも12時ではありません。太陽の位置で時刻を決めたうえで、その天体がどこに見えるかを追いかけます。
家庭で確かめるなら、この3つの問いかけ
- 「今、自分は図のどこにいる?」
- 「そこから北極はどちら? では南はどちら?」
- 「太陽が南に見えるのはどこ? そこから時間はどちらに進む?」
すぐに正しい図を見せる前に、子ども自身に位置と向きを指さしてもらいます。どこまで分かり、どこで止まったのかが見えやすくなります。
無料の3問確認プリント
時刻の書き込み、観測者の南北、太陽の配置を変えた問題を用意しました。A4・2ページで、1ページ目が問題、2ページ目が解答です。登録不要で保存・印刷できます。
まず解答を見ずに図へ書き込み、答え合わせで「なぜその位置が12時なのか」を説明してみてください。
ほかの単元でも、基本を図に戻す
図を描く前のつまずきから、一緒に見直します
木ノ下翔の理科指導では、答えだけでなく、どこで考えが止まったかを確かめます。教材を見ても自力で図にできないときは、実際の答案や途中の書き込みをもとに整理しましょう。
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