早稲田アカデミー小6理科の練成問題集とは
小6の練成問題集は、これまでに学んだ知識を、入試問題で使える形へ組み直すための教材です。
小6では、知識を覚えているだけでなく、図やグラフから条件を読み取り、複数の単元を組み合わせて短時間で処理する力が求められます。練成問題集のトレーニング、基本問題、練習問題を段階的に使い、基本の確認から実戦的な処理へ進みます。
今回分析した講義解説では、浮力、滑車、輪軸、水溶液、燃焼、天体、光、電気など、小6が失点しやすい単元について具体的な解法が繰り返し示されています。難問を力任せに解くのではなく、図、基準、置き換え、差分を使って問題を単純化することが中心です。
このページでわかること
- 小6練成問題集の役割と予習シリーズとの関係
- 物理・化学・生物・地学の重点単元
- 天秤法、消去算、ちょうどの式などの解法ツール
- 浮力・滑車・天体を図で解く方法
- 小6が失点しやすいポイントと暗記事項
- 入試期の家庭学習での使い方
予習シリーズと組み合わせて使う
小6理科は既習単元の復習と入試演習が並行します。授業や予習シリーズで原理を確認し、練成問題集で典型問題を反復して、演習問題集やマスターテキスト、入試問題へつなげます。
基本が不安定な単元で、いきなり難しい総合問題を繰り返しても得点は安定しません。トレーニングと基本問題へ戻り、使う知識と解法手順を確認してから練習問題へ進むことが重要です。
予習シリーズ小6の学習内容については、予習シリーズ小6理科のカリキュラムと勉強法も参考にしてください。
小6で扱う重点分野
物理分野
物の運動、てこ、滑車、輪軸、ばね、浮力、圧力、電気、光、音などを扱います。図に力の矢印を書き、複雑な条件は簡単なモデルへ置き換えて考えます。
化学分野
気体の発生、水溶液、溶解度、中和、金属の燃焼、熱と状態変化などを扱います。「ちょうど」の基準、天秤法、消去算を使い、過不足と混合物の計算を整理します。
生物分野
動物の誕生、人体、植物の分類、光合成と呼吸、長日植物・短日植物などを扱います。用語や漢字だけでなく、グラフと実験条件の読み取りが重要です。
地学・天体分野
地震、地層、火山、天気、前線、太陽、月、金星、恒星、黄道十二星座などを扱います。見かけの図を信用しすぎず、時刻や位置関係の基準から作図します。
小6で使う木ノ下メソッドと整理法
天秤法、消去算、ちょうどの式などは、問題を処理するための具体的な木ノ下メソッドです。これに対し、初見問題のどこを見て、どの解法につなげるかを判断する5段階の思考手順を木ノ下FIVEと呼びます。
| 分類 | メソッド | 主な対象単元 |
|---|---|---|
| 思考法 | 図と力の矢印 | 浮力、滑車、輪軸、てこ |
| 思考法 | 置き換え・モデル化 | 滑車、圧力 |
| 思考法 | 差分・追加モーメント | てこ、輪軸、ばね |
| 思考法 | 基準から作図する | 月、金星、星座 |
| 解法 | ちょうどの式 | 気体の発生、中和 |
| 解法 | 天秤法 | 水溶液の濃さ |
| 解法 | 消去算 | 2種類の金属の燃焼 |
| 解法 | 位置エネルギーで考える | 物の運動 |
浮力は「図と矢印」で解く
浮力の問題では、頭の中だけで力の関係を考えません。物体、ばねばかり、糸、水面などを図に描き、重力、浮力、張力を上向き・下向きの矢印で書き込みます。
「浮力の問題は、図を書いて矢印をしっかり書くという癖をつけておくと、あと何問にも対応しやすくなってきます。」
どの物体に働く力なのかを分けて書くことで、作用・反作用の力と、同じ物体に働くつり合いの力も区別しやすくなります。
滑車と圧力は簡単なモデルへ置き換える
滑車そのものに重さがある問題では、最初から全条件を一度に計算すると混乱します。まず「もし滑車に重さがなかったら」と仮定して基本形を考え、その後で滑車の重さによる影響を加えます。
水以外の液体を使う水圧の問題でも、いったん「もし水だったら」と置き換え、密度の違いを倍率として反映します。
複雑な条件を一時的に外し、最も単純なモデルを作ってから変化分を戻すことが、木ノ下メソッドの重要な思考法です。
てこ・輪軸は差分と追加モーメントを見る
重りを追加したり移動させたりした後のつり合いでは、最初からすべてのモーメントを計算し直す必要がない場合があります。変化した重さや距離によって増えた「追加モーメント」だけを取り出します。
全体ではなく増減した部分に注目することで、式が短くなり、計算ミスを防げます。棒や滑車自身に重さがある場合は、その重さの矢印を図へ書き忘れないでください。
天秤法|水溶液の混合を逆比で処理する
濃度の異なる水溶液を混ぜる問題では、濃度を数直線上に置き、濃度差と水溶液の重さを逆比で対応させる天秤法が使えます。
「割合の混ぜ合わせなので、天秤法というやり方も覚えておきましょう。」
方程式を長く立てるよりも、どちらの濃度に近い混合液になるかを図で確認できるため、答えの見当違いにも気づきやすくなります。
ちょうどの式|化学反応の基準を先に作る
気体の発生や中和では、グラフの折れ目や表から、2つの物質が過不足なく反応する量を見つけます。その組み合わせを「ちょうどの式」として最初に書きます。
- 過不足なく反応する基準量を見つける
- 問題の各物質が基準の何倍かを調べる
- 倍率が小さい方を不足する物質と判断する
- 不足する方に合わせて生成量と余りを計算する
反応の基準を決めてから比例計算をすることで、どちらの物質に合わせるのかが明確になります。
消去算|2種類の金属が混ざる燃焼問題
2種類の金属を混ぜて燃焼させる問題では、全体を一方の金属だけだと仮定し、実際の増加量との差からもう一方の金属の量を求める消去算が有効です。
つるかめ算に似た考え方で、複雑な小数の連立処理を整理できます。最初に各金属が酸素と結びつく割合を確認し、仮定した状態との差が何によって生じたかを明確にします。
物の運動は位置エネルギーと2乗関係に注意する
球を斜面から転がして物体を飛ばす問題では、球が持つ位置エネルギーと運動の結果を対応させます。高さや速さ、飛ぶ距離の関係を単純な比例だと思い込まないことが重要です。
振り子でも、長さを4倍にすると周期は2倍になるなど、長さと周期は単純比例ではありません。問題で示された条件を表やグラフに整理し、2乗が関係する量を確認します。
天体は「見かけ」で答えず基準から作図する
月、金星、黄道十二星座の問題は、掲載された図の距離や大きさが実際の比率どおりとは限りません。図の見た目だけで時刻や方角を判断すると失点します。
- 太陽・地球・月または金星の位置関係を描く
- 中心同士を結び、必要な90度の方向を確認する
- 南中する0時など、基準となる時刻を決める
- 日周運動は1時間15度、年周運動は1か月30度で動かす
「見かけで答えたらダメ。0時からしっかり確認する癖をつける」ことが、天体での基本姿勢です。
光と音の失点ポイント
凸レンズ
像の作図では、平行光線、焦点を通る光、レンズの中心を直進する光を使います。「物体と像が同じ距離・同じ大きさ」になるのは、物体が焦点距離の2倍の位置にあるときです。
音
反射音では、音が壁や海底まで行って戻る往復距離を進みます。空気中の音速は毎秒約340m、水中では毎秒約1500mを基本として、求める片道距離では2で割ることを忘れないようにします。
生物・気象で注意したい知識
- 長日植物・短日植物は、単なる夜の合計時間ではなく連続暗期が重要
- ハエ・カ・アブは、後ろ羽が退化して見かけ上の羽が2枚
- 夏日は25度以上、真夏日は30度以上、猛暑日は35度以上
- 熱帯夜は最低気温が25度以上の夜
- 春や秋の天気では「揚子江気団」だけでなく、そこから分かれた移動性高気圧を確認
- 冬の晴れた朝の霜は、放射冷却によって生じる
木ノ下式の暗記法
- 銀のドキちゃん歩いてる:熱や電気を伝えやすい順に、銀・銅・アルミニウム・鉄
- 赤ピーマンに群がる青ミッキー:紫キャベツ液の変化を、赤・ピンク・紫・青・緑・黄の順で整理
- 同じ距離・同じ大きさ=焦点距離の2倍:凸レンズの頻出条件
- 日周15度・年周30度:星は1時間で15度、1か月で30度
語呂合わせは、原理や色の順序を確認した後、試験中に素早く思い出すための道具として使います。
小6が失点しやすいポイント
- 作用・反作用とつり合い:作用・反作用は、力を及ぼす側と受ける側が入れ替わる別々の物体間の力です。
- 滑車:重りだけでなく、動滑車自身の重さも図へ書きます。
- てこの種類:押し切りカッター、ボートのオール、栓抜きなど、支点・力点・作用点を図で確認します。
- 天体:見かけの距離や大きさに惑わされず、基準時刻から作図します。
- 漢字:「堆積」の堆、「羊水」、「へその緒」の緒、「裸子植物」の裸に注意します。
- 化学計算:どちらが不足するか判断せずに比例計算を始めないようにします。
入試期の家庭学習での進め方
- 苦手単元を特定する
正答率だけでなく、知識・作図・基準設定・計算のどこで止まったかを確認します。 - 予習シリーズで原理を戻る
解説を覚えるのではなく、なぜその図や式になるかを確認します。 - トレーニングと基本問題を解き直す
難問より先に、典型問題の手順を再現できる状態へ戻します。 - 解法ツールの名前と使用条件を一致させる
水溶液なら天秤法、過不足ならちょうどの式、混合物燃焼なら消去算というように整理します。 - 練習問題で複合条件へ進む
図・矢印・基準・途中式を残して解きます。 - 入試問題で使えるか確認する
初見の問題でも同じ考え方を選べるかを確かめます。
木ノ下FIVEで小6の複合問題を解く
木ノ下FIVEは、「見る・認識する・つなげる・整理する・解く」の5段階で初見問題を処理する思考手順です。小6では複数単元や条件が組み合わされるため、解法を知っているだけでなく、どの解法を選ぶかまで自分で判断する必要があります。
- 見る:図、表、グラフ、単位、変化点、天体の位置関係など、判断材料を探します。
- 認識する:浮力の力のつり合い、化学反応の過不足、混合物燃焼、天体の時刻判断など、問題の正体を見抜きます。
- つなげる:問題の型を、図と矢印、ちょうどの式、天秤法、消去算、追加モーメントなどの木ノ下メソッドと結びつけます。
- 整理する:力の矢印を書く、基準時刻を置く、滑車を重さなしのモデルへ置き換える、変化分だけを取り出すなど、処理できる形へ変えます。
- 解く:整理した情報と選んだ解法を使い、必要な計算・作図・選択を行います。
木ノ下FIVEは解法を選ぶための思考の流れ、木ノ下メソッドは選んだ後に使う具体的な解法です。解き直しでは、答えだけでなく、FIVEのどの段階で止まったかを確認してください。
木ノ下翔からのアドバイス
小6では、難しい問題をたくさん解くことだけが入試対策ではありません。問題を見たときに、何を図に書き、どの基準を作り、どの解法ツールを選ぶかを自分で判断できることが重要です。
練成問題集の基本問題まで戻ることは、後退ではありません。浮力の矢印、化学のちょうどの式、天体の基準時刻など、解き方の土台を整えることが、総合問題を速く正確に解く力につながります。


