中学受験理科研究室|天気・気温と湿度
水蒸気が減らなくても、湿度は下がる
1m³あたりの水蒸気量が同じでも、温度が上がれば湿度は下がります。温度が上がると、計算の基準になる「飽和水蒸気量」が大きくなるためです。
ここでいう湿度は、天気の学習で扱う相対湿度です。水蒸気の量そのものと、湿度という割合を分けて考えましょう。
木ノ下翔の板書で80%→25%を確認
単元別講座「1日の気温と湿度」から抜粋しました。動画では、水蒸気を1m³あたり8gにそろえ、11℃と31℃で計算しています。
飽和水蒸気量は「その温度での上限」
飽和水蒸気量は、その温度で空気1m³中に水蒸気として存在できる最大量として学習します。単位はg/m³です。温度が高いほど、この値は大きくなります。
湿度を求めるときは、実際の水蒸気量も飽和水蒸気量も、同じ体積あたりの量にそろえます。
湿度(%)=実際の水蒸気量 ÷ その温度の飽和水蒸気量 ×100
このページでは、どちらの量もg/m³で表します。
8gのままで、なぜ80%から25%になる?
授業では、計算しやすい近似値として、11℃の飽和水蒸気量を10g/m³、31℃を32g/m³としています。入試では、問題に示された表やグラフの数値を使ってください。
| 温度 | 実際の水蒸気量 | 飽和水蒸気量 | 湿度 |
|---|---|---|---|
| 11℃ | 8g/m³ | 10g/m³ | 80% |
| 31℃ | 8g/m³ | 32g/m³ | 25% |
11℃:8÷10×100=80%
31℃:8÷32×100=25%
分子の8は同じですが、分母が10から32へ大きくなっています。そのため、割合である湿度は下がります。「湿度が下がったから水蒸気が減った」とは、この例ではいえません。
気温と湿度のグラフが逆に動く条件
1m³あたりの水蒸気量がほぼ一定なら、気温が上がると湿度は下がり、気温が下がると湿度は上がります。これが、晴れた日の典型的な気温と湿度のグラフを読む基本です。
ただし、外の空気が入れ替わるなどして水蒸気量も変わる場合、気温だけで湿度の変化を決めることはできません。また、空気を冷やして飽和に達し、水滴ができ始めた後は、水蒸気量を一定のまま扱わないようにします。
確認問題3問
以下は、このページの復習用に作成した問題です。元授業の問題をそのまま転載したものではありません。
問1|式に当てはめる
ある温度で、飽和水蒸気量は20g/m³、実際の水蒸気量は12g/m³です。湿度は何%ですか?
答えと理由を見る
60%。12÷20×100=60です。実際の量を、その温度の飽和水蒸気量で割ります。
問2|水蒸気量をそろえて比べる
AとBの実際の水蒸気量は、どちらも6g/m³です。Aの温度では飽和水蒸気量が10g/m³、Bの温度では15g/m³です。湿度が高いのはどちらですか?
答えと理由を見る
A。Aは6÷10×100=60%、Bは6÷15×100=40%です。水蒸気量が同じでも、分母が小さいAの方が湿度は高くなります。
問3|湿度だけで水蒸気量を比べられる?
ある場所の湿度が80%から50%に下がりました。この情報だけで「水蒸気の量が減った」といえますか?
答えと理由を見る
いえません。気温の変化により飽和水蒸気量が変わった可能性もあります。実際の水蒸気量を比べるには、温度やその温度での飽和水蒸気量も確認します。
前の単元:1日の気温の変化
気温が最高になるのはなぜ正午より後?では、太陽高度・地温・気温のピークがずれる理由を解説しています。気温の変化を整理してから、湿度との関係につなげてみてください。
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解説:中学受験理科専門講師・木ノ下翔
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