木ノ下翔の中学受験理科研究室|植物・実験考察
発芽の基本条件は、水・酸素・適当な温度
種子の発芽を考えるときは、まず水・酸素・適当な温度の3つを押さえます。「水をあげたから発芽する」と一つの条件だけで判断せず、ほかの条件もそろっているか確認しましょう。
そして実験問題では、3条件を答えられるだけでは十分ではありません。何を調べるために、どの2つを比べるのかを説明できることが大切です。
約54秒の板書動画で、3条件を確認する
単元別講座「種子の発芽と条件」の一部を抜粋。以下の比較表と確認問題は、動画の内容を復習するために作成した学習用の例です。
「適当な温度」は、どの植物でも同じではない
「適当」は、いいかげんな温度という意味ではありません。その植物の発芽に適した温度という意味です。種類によって適した範囲が違うので、「温度は高いほどよい」「すべて25℃ならよい」と覚えないようにします。
また、水は必要ですが、多く与えればよいわけではありません。種子を水に沈めると、空気中から酸素を取り入れにくくなります。問題では、使う種子や実験の条件、観察結果を合わせて判断します。
対照実験は、調べたい条件だけを変えて比べる
次は、同じ種類・同程度の大きさのインゲンマメの種子を、同じ個数ずつ置いた学習用の例です。どれも空気に触れ、光など表にない条件はそろえ、同じ期間観察したものとします。
| 実験 | 綿の状態 | 温度 | 観察結果 |
|---|---|---|---|
| A | 湿らせる | 25℃ | 発芽した |
| B | 乾いたまま | 25℃ | 発芽しなかった |
| C | 湿らせる | 5℃ | 発芽しなかった |
| D | 乾いたまま | 5℃ | 発芽しなかった |
水の必要性を調べるならAとBです。温度などをそろえ、水の有無だけを変えています。温度の影響を調べるならAとCです。水と酸素がある状態をそろえ、温度だけを変えています。
AとDでは、水と温度の両方が違います。発芽の結果が違っても、その原因を一つに絞れません。
条件を一つ変えるだけでは、判断できないこともある
BとDも、違いは温度だけです。しかしどちらも水がないため、両方とも発芽しません。この結果から「温度は発芽に関係ない」とは言えません。
調べたい条件以外は、ただ同じにするだけでなく、発芽に必要な条件を満たすようにそろえる。ここまで考えると、比較する組を選ぶ理由がはっきりします。
確認問題3問
- 発芽の基本条件を3つ答えてください。
- 表で、水が発芽に必要かを調べるには、どの2つを比べますか。
- BとDがどちらも発芽しなかったので「温度は関係ない」と言えますか。理由も答えてください。
答えと考え方を開く
- 水・酸素・適当な温度。適した温度は植物の種類によって異なります。
- AとB。温度などをそろえ、水の有無だけを変えているからです。
- 言えません。どちらも水がなく、温度の影響を確かめられないからです。表では、水と酸素があるAとCを比べます。
発芽と、その後の成長を分けて考える
インゲンマメは、発芽のときには種子に蓄えた養分を使います。その後の成長や光合成を考える問題と、発芽の条件を調べる問題を混同しないようにしましょう。なお、発芽への光の影響には種類による違いがあるため、「どんな種子も光は無関係」とまで広げないことも大切です。
塾の教材に戻って、実験の組を選び直す
教材の発芽の問題で、各実験の「水・酸素・温度」を書き出してみてください。そのうえで、調べたい条件だけが違う組を選び、ほかの必要条件がそろっているか確認します。


