2026年度第1回の理科では、化学分野の「抽出」と、燃焼・熱を扱う問題が確認できました。
目立つのは、知識の名前を覚えているだけでは処理しにくい問題です。特に大問1では、初めて見る抽出の規則を読み、比と割合の計算に置き換えなければなりません。大問2では、紙鍋などの身近な現象を、燃焼の条件や熱の移動とつないで説明する力が求められます。
難しい知識を先取りしているかよりも、与えられた情報をどう整理するかが問われた入試といえます。
大問1は「抽出」を算数へ翻訳する問題
大問1の題材は、混合物の分離と抽出です。高校化学の分配係数を思わせる内容ですが、必要なのは専門用語の暗記ではありません。
問題文に示された「水と有機溶媒にどの比で分かれるか」という規則を読み、その都度、全体を比で分けます。ここで重要なのは、難しい化学の問題だと思い込まず、算数の比の問題として捉え直すことです。
解説動画では、複数回の抽出を枝分かれするフローチャートにしました。1回目に移った量と残った量、2回目にさらに移った量を、頭の中だけで追わないためです。
木ノ下FIVEで見る大問1
木ノ下FIVEでは、初見問題を「見る・認識する・つなげる・整理する・解く」の順で考えます。
- 見る:問題文の式と条件を確認する
- 認識する:水と有機溶媒への分配だと捉える
- つなげる:比と割合の既習事項へ結びつける
- 整理する:抽出のたびに残量を図へ書く
- 解く:整理した図に沿って数値を処理する
この順番を守れば、見慣れない題材でも処理できます。反対に、いきなり計算を始めると、溶媒量が半分や4分の1になった場面で比を取り違えやすくなります。
大問2は日常現象を理科の言葉で説明する
大問2では、燃焼の条件や熱の伝わり方を、身近な現象に当てはめます。
たとえば紙鍋が燃えにくい理由は、「水があるから」で終わりではありません。水が熱を受け取り、沸騰中はおよそ100℃に保たれるため、紙が発火点に達しにくい、という因果関係まで書く必要があります。
知識を一語で答える問題ではなく、現象と知識をつなぎ、順序立てて記述する問題です。記述問題の考え方は、中学受験理科の記述対策もあわせてご覧ください。
渋渋中理科で差がつく3つの力
- 未知の規則を既習の算数へ翻訳する力
- 反復する操作を図にして整理する力
- 日常現象を理科用語で因果的に説明する力
渋渋中の問題に取り組む際は、答えが合ったかだけでなく、「どの条件に注目したか」「どの知識につないだか」「図にするとどうなるか」を確認してください。
過去問の効果的な解き直し方
大問1は、解説を読んだあとに同じ計算を暗記するのではなく、自分でフローチャートを描き直します。数字や溶媒量が変わっても同じ図を作れるかが確認点です。
大問2は、答案に必要な用語へ線を引き、それらを「ため」「ので」などで因果的につなげられているかを見ます。単語が並んでいるだけなら、まだ説明として完成していません。
学校別の問題に取り組む際の基本は、中学受験理科の過去問対策でも解説しています。
保護者の方へ
一見して難しい題材でも、問題文の規則を落ち着いて読み、すでに学んだ算数や理科へ置き換えれば解ける問題があります。
お子さまが「知らない問題だった」と言ったときは、知識不足と決めつけず、「どの条件が大事だった?」「前に習った何と似ている?」と問いかけてみてください。初見問題への向き合い方が見えやすくなります。


