木ノ下翔の中学受験理科研究室|電流・実験考察
電圧が同じなら、抵抗が2倍になると電流は半分
「抵抗が2倍になったら、電流も2倍になる?」。答えを出す前に、電圧は同じかを確認しましょう。電圧が同じなら、抵抗が2倍になると電流は2分の1になります。
抵抗は、電流の流れにくさを表します。電流を流そうとする電圧が変わらず、流れにくさが大きくなるので、電流は小さくなります。
約15秒の板書動画で確認する
単元別講座「電流を解くにあたって」から抜粋。以下の数値例と確認問題は、考え方を復習するために作成しました。
電流=電圧÷抵抗で、変わるものを整理する
ここでは、オームの法則で扱う回路を考えます。使う関係は電流=電圧÷抵抗です。電圧はV(ボルト)、抵抗はΩ(オーム)、電流はA(アンペア)で表します。
電圧が同じ:抵抗が2倍 → 電流は2分の1
抵抗が同じ:電圧が2倍 → 電流は2倍
「2倍」という数だけに反応せず、何が2倍で、何を同じにしているかを言葉にすることが大切です。
数値を入れて、半分になる理由を確かめる
電圧を6Vにそろえた学習用の例です。
| 電圧 | 抵抗 | 電流 |
|---|---|---|
| 6V | 3Ω | 6÷3=2A |
| 6V | 6Ω | 6÷6=1A |
| 6V | 9Ω | 6÷9=2/3 A |
初めの3Ω・2Aを基準にすると、抵抗が2倍の6Ωでは電流は半分の1A。抵抗が3倍の9Ωでは、電流は3分の1の2/3 Aです。この関係を反比例といいます。
電圧と抵抗が両方変わるときは、倍率で割り算する
電圧が2倍、抵抗も2倍なら、電流は2÷2=1倍で変わりません。電圧が3倍、抵抗が2倍なら、電流は3÷2=1.5倍です。
整理の仕方は、電流の倍率=電圧の倍率÷抵抗の倍率。まず、同じにしている量には「1倍」と書くと、考え違いを防げます。
豆電球の個数だけで決めない
動画の板書では、直列につないだ乾電池や豆電球を使ってイメージを説明しています。ただし、個数で比べるには、同じ乾電池を同じ向きに直列につなぐ、同じ豆電球の抵抗を一定とみなす、といった前提が必要です。電池や導線の抵抗を無視する教材上のモデルとして扱います。
実際の豆電球は、フィラメントの温度によって抵抗が変わります。また、並列につないだ場合も、直列と同じ個数の数え方はできません。問題に示された条件やグラフを優先して読みましょう。
確認問題3問
- 電圧を変えずに抵抗を2倍にすると、電流は何倍になりますか。
- 電圧を3倍、抵抗を2倍にすると、電流は何倍になりますか。
- 「抵抗が2倍になった」とだけ聞いて、電流は必ず半分になると言えますか。
答えと考え方を開く
- 2分の1倍。電圧は1倍なので、1÷2=1/2です。
- 1.5倍。3÷2=1.5です。
- 言えません。電圧が変わっている可能性があるからです。「電圧が同じ」という条件が必要です。
教材に戻って、同じ条件に印をつける
電流の問題を解き直すときは、電圧・抵抗・電流のうち、どれが同じでどれが変わるかを書き出してください。計算の前に条件をそろえる見方は、ほかの実験問題にもつながります。


