習った解き方を思い出す問いかけ
2026/09/12
木ノ下翔の授業から|中学受験理科・個別指導
解けない理由は、知識不足とは限らない
習った解き方を知っていても、目の前の問題で使えるとは限りません。力学の授業で、問題文の意味を取り違え、習った方法を見落としていた生徒がいました。今回は、問いかけをきっかけに解き進められた場面を紹介します。
長さの値と、長さの比が混ざっていた
その生徒は、問題文の意味を十分に捉えないまま解き進めていました。長さをセンチメートルで扱っているのか、それとも長さの比で扱っているのか。その区別が曖昧になっていたのです。
計算を進める前に、その数字が何を表しているのかを確かめる必要があります。長さそのものの値なのか、長さどうしの関係を表す比なのか。式だけを追っていると、こうした基本的な意味を見落とすことがあります。
その数字はcm? それとも長さの比?
「長さが3cm」と「長さの比が3」は、意味が違います。比の3だけでは、実際に何cmなのかは決まりません。
例えば、2本の棒の長さの比が2:3だとします。実際の長さが4cmと6cmでも、10cmと15cmでも、比は同じ2:3です。比の3は「1にあたる長さの3つ分」を表しており、それだけで3cmを意味するわけではありません。
ここで大切なのは、「いつもcmに直さなければいけない」ということではありません。長さの比を使って考えられる問題もあります。実際の長さで考えているのか、同じ基準で表した比で考えているのかを区別することが必要です。
家庭での解き直しに使える問いかけ
式をすぐに直してあげる前に、次のように聞いてみてください。
- 「この3は、3cm? それとも比の3?」
- 「比の1にあたる長さは、分かっている?」
- 「図のどの長さを使っているか、指で示せる?」
これは家庭で使える問いかけの例です。答えられない場合は、問題文と図に戻り、与えられた長さや比を一つずつ確認します。
支点を決めることも、数字の意味を確かめることも、習った解き方を目の前の問題で使うための準備です。計算の手順だけでなく、どこを基準にして、何を使って考えているのかまで戻って確かめます。
「支点をどこに決めた?」
また、普段使っているはずの「支点決定法」を、この問題では見落としていました。
「支点をどこに決めた?」
そう問いかけると、習った解き方を思い出し、いつもの手順で考えられるようになりました。今回も、その先は正解まで進められました。
習ったことと、目の前の問題をつなぐ
解けないとき、知識が足りないとは限りません。習ったことを、目の前の問題でどう使えばよいかが見えていない場合もあります。
「前に、こういう解き方をしたことがなかった?」
その問いかけが、今まで習ったことと目の前の問題をつなぐ手がかりになります。私が確かめたいのは、その子がどこで意味を取り違え、何を見落としているのかです。そこを見つけ、習ったことを思い出す手伝いをする。自分で解き進められるようにするための、大切な指導だと考えています。
ご家庭で解き直すときにも
「前に習ったでしょう」で終わらせず、どこまでは分かっているのかを確かめてみてください。今回のような場面なら、「この数字は何を表している?」「どこを支点に考えた?」と、考える出発点を一つずつ確認する方法があります。
問いかけても進めないときには、問題文の意味や解き方そのものの説明が必要かもしれません。思い出す手がかりが必要なのか、理解し直す必要があるのか。その違いを、その子の反応から見ていきます。
18秒で確認:「比の3」は3cm?
支点から左右の端までの長さの比が2:3。左が4cmなら、右は何cmでしょう? 図を見ながら、比の1つ分から確かめます。
18秒・音声なし。長さの比を必ずcmに直すという意味ではありません。実際の長さと、同じ基準で表した比を区別しましょう。
てこの図で、cmと比を使い分ける
「この3は、3cm? それとも比の3?」を、実際に図と式で確かめる3問のプリントです。長さを求め、つり合いを計算し、cmと比が混ざった式の誤りを説明します。
てこの長さはcm?比?・確認プリントを開く(PDF/A4・2ページ) →
無料・登録不要。問題と解答を別ページにしています。この記事の問いかけをもとに編集作成した練習問題で、実際の授業問題の転載ではありません。
家庭で使える、理科の解き直しチェックシート
この記事の問いかけを、印刷して書き込めるA4・1枚のシートにまとめました。解き直す問題を1問選び、関係する項目だけ使ってください。
- 数字が表す意味と、cm・長さの比を確かめる
- てこなどの問題で、支点と使う長さを図に示す
- 止まった場所、かけた言葉、その後の様子を記録する
できた項目の数で評価せず、次に何を確かめるかを見つけるためにお使いください。
無料チェックシートを開く・ダウンロード(PDF/A4・1枚) →
登録不要です。PDFは新しいタブで開きます。保存・印刷してご利用ください。
プリントで確かめたあと、次に何をする?
「この数字は何を表している?」「支点をどこに決めた?」。問いかけたときの様子や、解き直しで止まった場所を、次の学習につなげましょう。
教材の解き方を、自宅で見直したい方へ
プリントでcmと比を区別できたら、次は塾の宿題やテスト直しの一問へ進みましょう。一段やさしい問題でも止まる場合は、その段階の解説から見直します。
「理科の伴走」は、塾の教材や過去問の解説動画を見ながら復習するサービスです。手元の問題の考え方や計算の進め方を確認したいときは、対応する解説動画を探してください。
教材マップで教材名・学年・年度・回・問題番号を照合し、見たい動画があるかをご確認ください。視聴できる範囲は、ご契約・ご購入内容によって異なります。
案内の閲覧は登録不要です。動画視聴は対象コースの契約・購入条件をご確認ください。1週間体験の対象・料金・自動継続について / コース別の教材・料金一覧
つまずいている場所を、一緒に確かめたい方へ
木ノ下翔の理科個別指導では、その子がどこで意味を取り違え、何を見落としているかを、問いかけと反応から確かめます。今回の授業事例のように、習った解き方を目の前の問題につなげ、自分で考え進めるための手がかりを探します。
ご相談の際は、お子様の学年、通っている塾・使っている教材、プリントや解き直しで止まった場面を、分かる範囲でお知らせください。
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