デイリーサピックス理科630-11「地質」学習のポイント
2026/05/20
確認問題【四角1】
川の働きと流水の作用、示相化石
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川の3作用の基本: 崖を作るような削り取る働きは「侵食作用」です。侵食作用は「止まっていたものを動かす(削る)働き」と捉えると理解しやすくなります。
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上流から下流への変化: 川幅: 上流から下流にいくほど広くなります。 流れの速さ: 上流は傾斜が急なため速く、下流にいくほど遅くなります。 川原の石: 上流は「大きくゴツゴツした石」が多く、下流にいくほど摩耗して「小さく丸い石」になります。
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カーブにおける流水の働き: 川が曲がっている場所では、遠心力によって「外側(攻撃面)」の方が流れが速くなります。 流れが速い外側では侵食が盛んになり、水深が深く(川底が深く)なります。また、小さな石は流されて大きな石が残りやすくなります。 反対に、流れが遅い内側(堆積面)では堆積作用が盛んになり、水深が浅くなります。長い期間が経つと曲がり方はさらに激しくなり、最終的には「三日月湖(河跡湖)」が形成されます。
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示相化石と過去の環境: 当時の環境を示す化石を「示相化石」(「様子」を表す「相」の字を使う)と呼びます。 アサリ: 潮干狩りができるような「浅い海」。 ホタテガイ: 北海道や青森などのイメージ通り「寒冷で深い海」。 サンゴ: 沖縄のイメージ通り「温暖で浅く、透明度の高い(澄んだ)海」。 シジミ: 川の水と海の水が混ざり合う「汽水域(汽水)」の指標として非常によく出題されます。
確認問題【四角2】
堆積岩・火成岩の分類
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堆積岩の分類(粒の大きさによる分類): 粒の直径が2mm以上のものが押し固められてできた岩石は「礫岩(れきがん)」です。砂岩(0.06〜2mm)、泥岩(0.06mm以下)との基準の違いを押さえましょう。
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生物の死骸や化学成分からできた堆積岩: サンゴやフズリナなどの死骸が押し固められてできた岩石は「石灰岩」です。主成分は炭酸カルシウム(塩酸をかけると二酸化炭素が発生する)です。 石灰岩がマグマの熱によって変化(変成作用)したものは「大理石(結晶質石灰岩)」と呼ばれます。
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火成岩の分類(深成岩と火山岩): 地下深くでマグマがゆっくり冷え固まってできた岩石のグループを「深成岩」と呼びます。その中で色が白い(黒雲母や石英、長石を含む)代表例が「花崗岩(かこうがん)」です。 火山灰が押し固められてできた堆積岩は「凝灰岩(ぎょうかいがん)」(固まる灰の岩)です。漢字で書けるようにしましょう。 マグマが急激に冷え固まってできた岩石のグループを「火山岩」と呼びます。その中で色が白と黒の中間(灰色)のものが「安山岩」、黒っぽいものが「玄武岩」(ハワイ島などを構成する岩石)です。
確認問題【四角3】
化石の定義と示準化石の分類
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化石の定義: 化石とは、「大昔の生物の遺骸(体の一部)や、生きていた生活の痕跡」のことです。足跡、巣穴、糞(ふん)なども生活の痕跡として化石に含まれます。また、骨の化石なども骨そのものではなく、その形に岩石の成分が流れ込んで固まったものである点に注意が必要です。 人間の生活のゴミ捨て場である「貝塚」は、生物の痕跡ではなく人間の歴史的な跡であるため、化石ではなく「古墳・遺跡(考古学の対象)」に扱われます。
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示準化石と地質時代: 年代(時代)を特定できる化石を「示準化石」と呼びます。条件は「広い地域に分布し、短い期間だけ栄えて絶滅した(または進化が速かった)もの」です。 古生代: 三葉虫(さんようちゅう)、フズリナ、アノマロカリス、ウミサソリなど。 中生代: アンモナイト、恐竜全般(トリケラトプスなど)。 新生代: マンモス、ナウマンゾウ、ビカリア、デスモスチルス、オオツノジカなど。 アンモナイトは日本でも発見例があり、殻が綺麗に巻いていない「異常巻きアンモナイト」などのバリエーションもあることを知っておきましょう。
確認問題【四角4】
地層の重なり方と地殻変動の読み取り
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粒の大きさと沈む速度(地層の堆積条件): 礫(石)、砂、泥が海に流れ込むと、粒の大きいもの(礫)ほど重いため早く沈み、海岸に近いところに堆積します。粒の小さい泥は浮遊しやすいため、遠くの深い海まで運ばれてからゆっくり沈みます。 したがって、下から順に「礫 → 砂→ 泥」の順に重なっている(上に行くほど粒が小さくなっている)地層は、その場所の環境が「浅い海からだんだん深い海へ変化していった(土地が少しずつ沈ん(沈降)でいった)」ことを示します。これを海の進出(海進)と呼びます。
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海水面の変化(気候変動): 土地の昇降だけでなく、地球全体の気候が寒冷化(氷河期)になると、陸上の氷河や雪が増えることで、海へ戻る水が減り、海水面が世界的に下がります。海水面が下がると、それまで深い海だった場所が浅い海になり、地層の堆積パターンが変わります。
確認問題【四角5】
露頭の観察と地層の対比・鍵層の利用
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地層の上下関係の基本: 地層は基本的に下にあるものほど古く、上にあるものほど新しいという「地層累重の法則」があります。
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地層の対比と鍵層(キーベッド): 離れた場所にある地層のつながりを調べる際、特定の目印になる層を「鍵層(かぎそう)」と呼びます。一斉に広範囲に降り積もる「火山灰の層(凝灰岩)」がその代表例です。 各地点(A、B、Cなど)の柱状図を比較するときは、まず共通して見られる火山灰の層を横一列に並べ、それを基準(基準面)として上下の地層の標高や広がりを比較していくのが鉄則です。
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傾きの計算(標高の把握): 例えば、「東に100m進むと地層の高度が1m下がる」といった規則性を、柱状図の標高データの差から計算によって導き出せるようにします。この傾きをもとに、別の地点(Dなど)での地層の出現高度を予測します。
確認問題【四角6】
地層の逆転と不整合・大地の変動
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地層の逆転現象の発見: 地層が激しい地殻変動(褶曲:しゅうきょくなど)によって波打つように曲がり、押しつぶされて反転すると、本来下にあるはずの古い地層が上に来てしまう「逆転現象」が起きます。 逆転を見抜くためには、1つの層(単層)の内部における粒の大きさに注目します。通常は下部が大きく上部が小さい(段階的堆積)はずですが、これが「上が大きく、下が小さい」となっていれば、その地層は天地がひっくり返っている(逆転している)と判断できます。
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不整合の形成プロセス: 地層の重なりが不連続になっている境界を「不整合面」と呼びます。不整合は、①海中で堆積→②地殻変動で陸上に隆起→③雨や風で地表が削られる(侵食作用→④再び海中に沈降 → ⑤その上に新しい地層が堆積、という長い大地の歴史を経て形成されます。
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地層を切る・切られる関係(断層などの前後関係): 「切られた(分断された)地層の方が古く、切った(貫いた)断層や岩脈の方が新しい」という時間的ルールがあります。 例えば、断層X-Yが地層A・Bを切り裂いているが、その上の不整合面によって断層の頭が削られていれば、歴史の順番は「地層A・Bの堆積 →断層X-Yの発生→隆起・侵食(不整合) →次の地層の堆積」となります。
発展問題【四角1】
柱状図からの高低・年代判定
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柱状図を組み合わせた思考: 異なる地点の柱状図を共通の鍵層(火山灰など)を基準にしてつなぎ合わせ、どの層が一番古いのかを特定します。 堆積岩の粒の大きさ(礫・砂・泥)の並びから、時代とともにその場所の推進がどう変化したか(深くなったのか、浅くなったのか)を読み取る総合的な問題です。
発展問題【四角2】
断層に働く力と種類の見分け方
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断層の種類の見分け方(正断層と逆断層): 断層面に沿って、上のブロックがずり落ちているものを「正断層」(引っ張る力によって生じる)、上のブロックがのし上がっているものを「逆断層」(押される力によって生じる)と呼びます。 実際に指や鉛筆で断層の傾きを再現し、両側から「押す力(圧縮力)」がかかったとき、あるいは「引く力(張力)」がかかったときに地層がどちらにずれるかを立体的にシミュレーションできるように練習しましょう。 地層が押しつぶされて曲がる「褶曲(しゅうきょく)」は、ゆっくりと時間をかけて押される力(左右からの強い圧力)が加わったときに形成されます。
デイリーステップ【四角6】
洪水の作用と地形(扇状地・三角州)の形成
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川の勾配と地形の形成: 川の水が一気に増える洪水の際、流水の作用によって特徴的な地形が形成されます。 山間部から平野へ出る場所(谷口)では、傾斜が急に緩やかになるため流れが遅くなり、運ばれてきた土砂が扇形に堆積して「扇状地(せんじょうち)」が作られます。 川の最下流の海や湖に出る口(河口)では、流れが完全に止まるため、細かい泥や砂が堆積して「三角州(さんかくす/デルタ)」が作られます。それぞれの地形が川の「どの流域(上流・下流)」にできるかを正確に区別してください。
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自然堤防の形成: 平野部を流れる河川が洪水をおこして氾濫した際、川岸のすぐ外側に粗い砂が急激に堆積して高くなった堤防状の地形を「自然堤防」と呼びます。水が溢れた瞬間に勢いが衰えて、重い砂から順に堆積するために形成されます。
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日本と外国(タイなど)の洪水の性質の違い: 日本の河川は外国の大河川(タイのチャオプラヤ川など)に比べて、山から海までの距離が短く傾斜が非常に急(勾配が急)です。そのため、雨が降ると一気に水が出ますが、水が引く(氾濫が収まる)のも非常に早いという特徴があります。地形のスケール感と結びつけて理解しましょう。
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