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私が考える中学受験理科――理科はすべての科目を使う「総合教科」

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理科は総合教科

中学受験理科専門講師、木ノ下翔です。

私は、理科を単なる暗記科目とも、計算科目とも考えていません。

中学受験理科は、知識を持っているだけでは解けません。

問題文を読み、図や表を認識し、条件を整理し、数量関係を処理し、考えたことを言葉にする。

国語、算数、社会を含め、子どもが身につけてきた力を総動員して解く科目です。

私は理科を、小学生の学力全体が現れる「総合教科」だと考えています。

理科は、理科の知識だけでは解けません

最近の中学入試理科では、長い問題文や見慣れない実験が珍しくありません。

実験の手順を読む。

途中で変わった条件を見つける。

図や表から必要な数値を拾う。

結果を比較する。

規則を考える。

計算する。

最後に、その理由を文章で説明する。

一つの大問で、これらをすべて要求されることがあります。

知識があるのに解けない子がいるのは、このためです。

「この単元を習ったか」

だけではなく、

「与えられた情報を使って考えられるか」

まで問われています。

理科には、国語力が必要です

生徒の答案を見ていると、

「理科が分からないのではなく、問題文を正確に読めていない」

と感じることがよくあります。

実験条件が途中で変わっている。

「ただし」の後に重要な条件が書かれている。

前の実験と今回の実験では、一つだけ条件が違う。

何を答えるべきかが、問いの最後に指定されている。

ここを読み落とせば、理科の知識を持っていても正解できません。

記述問題では、さらに国語力が現れます。

頭の中では分かっている。

しかし、答案では原因と結果が逆になっている。

主語と述語が合っていない。

聞かれたことに答えていない。

必要な言葉が一つ抜けている。

これは単純な理科知識の不足ではありません。

理科という場面で、文章を読み、文章で答える力を要求されているのです。

計算問題には、算数力がそのまま現れます

物理や化学の計算問題では、算数の力がかなりそのまま出ます。

比。

割合。

比例・反比例。

速さ。

単位量あたり。

グラフ。

場合によっては、条件を図にして整理する力も必要です。

公式を覚え、数字を代入するだけで解ける問題ばかりではありません。

私は計算問題を教えるとき、

「どの公式を使うのか」

より先に、

「この二つの量は、どういう関係になっているのか」

を考えさせます。

一方を2倍にしたら、もう一方はどうなるのか。

半分ならどうなるのか。

何を1と考えれば分かりやすいのか。

理科の計算が苦手だと思っていた子が、実は割合や比を十分に理解していないこともあります。

その状態で理科の公式だけを覚えても、問題の形を少し変えられると解けません。

社会とのつながりも少なくありません

理科と社会の境界にあるテーマもたくさんあります。

気候。

地形。

農業。

災害。

エネルギー。

資源。

環境問題。

科学技術は、人間の生活や社会と切り離されたものではありません。

ある技術は、なぜ必要になったのか。

その技術によって、社会はどう変わったのか。

環境問題に対して、科学技術をどのように使うのか。

背景まで理解すると、理科の知識が単独の暗記事項ではなくなります。

私は授業で豆知識や小話を使いますが、単に知識を増やしたいからではありません。

背景を知ることで、バラバラだった知識をつなげたいからです。

理科の点数が低くても、原因が理科とは限りません

保護者の方から、

「うちの子は理科が苦手です」

と相談されることがあります。

ただ、私はその言葉をそのまま受け取りません。

本当に理科の知識が足りないのか。

問題文を読めていないのか。

割合や比が分かっていないのか。

図やグラフを認識できていないのか。

条件を整理できていないのか。

考えたことを文章にできないのか。

同じ不正解でも、原因はまったく違います。

原因が違えば、当然やるべき勉強も変わります。

知識不足なら覚え直す。

読み方が原因なら、条件へ線を引く練習をする。

割合が弱いなら、理科の公式を増やす前に数量関係へ戻る。

記述が原因なら、必要な要素を言葉にする練習をする。

理科の点数が低いからといって、原因が理科にあるとは限りません。

ここを正確に切り分けることが重要です。

私は、持っている学力の全部を使って理科を見ています

私は理科専門講師ですが、「理科だけができる講師」ではありません。

灘高校に合格し、京都大学では法学部へ進学しました。

理系学部出身ではありません。

文章を読み、論理を整理し、言葉で説明する力も使ってきました。

数量関係を処理する力も、社会的な背景を考える力もあります。

そして浜学園で講師を始めて以来、中学受験理科の物理・化学・生物・地学を研究してきました。

私は、その全部を使って理科を見ています。

問題文の論理を見る。

数量関係を見る。

図や表を見る。

背景知識とのつながりを見る。

答案の日本語を見る。

その子が何を知り、どこで止まったのかを見る。

理科を高いレベルで教えるには、講師側にも総合的な力が必要だと思っています。

理科専門だからこそ、理科だけを見ません

少し矛盾して聞こえるかもしれません。

しかし、これは私がかなり大切にしている考え方です。

理科専門だからこそ、理科だけを見ない。

算数の理解を見る。

文章の読み方を見る。

答案の日本語を見る。

知識同士のつながりを見る。

志望校が何を要求しているかを見る。

全部を見た上で、

「では、この子の理科をどうするのか」

を考えます。

一つの問題を間違えたからといって、すぐにその単元の復習を指示するわけではありません。

その子が、なぜ間違えたのか。

次に何を変えるべきなのか。

そこまで考えて初めて、指導になると思っています。

理科は、小学生が身につけた力を集める場所です

中学受験理科では、知識を持ち、文章を読み、図や表を認識し、条件を整理し、数量を扱い、考えたことを言葉にします。

一つひとつは、理科だけで身につける力ではありません。

国語で培った読解力。

算数で培った数量感覚。

社会で得た背景知識。

そして、理科で学んだ自然現象への理解。

それらを集め、目の前の問題へ使います。

だから中学受験理科は難しい。

そして、だから面白い。

理科は、小学生がそれまで身につけてきた学力の一部だけを見る科目ではありません。

持っている力を組み合わせて、初めて見る現象を考える総合教科です。

私は中学受験理科を専門にしています。

しかし、その理科を教えるために使っているのは、私が持っている学力の全部です。

それが、私の考える中学受験理科専門講師です。

中学受験理科専門講師
木ノ下 翔

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